SAMマウスとは?


 Senescence-Accelerated Mouse (SAM) は、京都大学結核胸部疾患研究所病理学部門 (現再生医化学研究所再生誘導研究分野) において、AKR/J系マウスと未知の系統との不測の交雑が生じたマウスコロニーから、老化度評点の加齢依存的な急速な増加を指標として確立されたマウス系統です。
 大別すると、
 促進老化・短寿命を示す Senescence-Accelerated Mouse Prone (SAMP) 系統正常老化を示す Senescence-Accelerated Mouse Resistant (SAMR) 系統2系統があり、それぞれがさらに細分化されています(下表参照)。
 SAMP系マウスは、老化アミロイドーシス、学習・記憶障害、老年性骨粗鬆症、白内障等の老化関連病態を系統特異的に発症することが明らかになっていますが、老化アミロイドーシスを除き、促進老化や老化関連疾患の発症原因は依然として多くの謎に包まれています。

 これらSAMマウスを用いた研究により、生物の老化機構や老化関連疾患の核心に迫ることができるのではと期待されています。

SAM microsatellite marker
SAM命名法(案)

SAM各系統の特徴的形質

SAMP

促進老化、短寿命

SAMP1

老化アミロイドーシス、免疫機能不全、腎萎縮、聴覚障害、老年性肺過膨張

SAMP2

老化アミロイドーシス、免疫機能不全、腎萎縮

SAMP3

顎関節の変形性骨関節症、続発性アミロイドーシス

SAMP6

老年性骨粗鬆症、続発性アミロイドーシス、大腸炎

SAMP7

老化アミロイドーシス、胸腺腫

SAMP8

学習・記憶障害、免疫機能不全、概日リズムの異常

SAMP9

白内障、老化アミロイドーシス

SAMP10

脳萎縮を伴う学習・記憶障害、老化アミロイドーシス